モンシロチョウの捕まえ方を知りたいとき、多くの人が最初につまずくのは、虫あみを持って走れば捕まえられると思ってしまうことです。
実際のモンシロチョウは小さく見えても飛ぶ向きを細かく変え、こちらの影や急な動きにも反応するため、力まかせに追いかけるほど遠くへ逃げやすくなります。
うまく捕まえるには、モンシロチョウがよく来る場所を選び、風向きや日当たりを見ながら近づき、網に入った瞬間に口を返して逃げ道をふさぐ流れを覚えることが大切です。
この記事では、子どもの観察や自由研究にも使いやすいように、モンシロチョウを傷つけにくい捕まえ方、失敗しやすい動き、観察後の逃がし方、採集場所で守りたいマナーまで順番に紹介します。
モンシロチョウの捕まえ方は近づき方と網の返し方がコツ

モンシロチョウを捕まえるときの結論は、見つけた瞬間に走って追うのではなく、飛び方を数秒観察してから、進む先を読んで網を振ることです。
モンシロチョウはキャベツやコマツナなどのアブラナ科植物、白や黄色の花、日当たりのよい草地の周辺で見つかりやすく、同じ範囲を行ったり来たりすることもあります。
そのため、やみくもに広い場所を探すより、好む植物や花の近くで待ち、低く飛んだり花に止まったりした瞬間を狙うほうが成功率は高くなります。
先に飛ぶ向きを見る
モンシロチョウの捕まえ方で最初に意識したいのは、すぐ網を振らずに、どちらへ進みたいのかを見極めることです。
モンシロチョウは一直線に飛び続けるより、花や葉の近くでふわふわと上下しながら移動するため、目の前の位置だけを狙うと網が空振りしやすくなります。
たとえば花壇の端から端へ移動している個体なら、今いる場所ではなく、次に向かいそうな花の少し先へ網を出すつもりで構えると入りやすくなります。
焦って近づくと相手が高度を上げてしまうので、数秒だけ目で追い、飛ぶ高さ、方向、止まりそうな場所を確認してから一歩ずつ距離を詰めることが大切です。
真後ろか進行方向から狙う
飛んでいるモンシロチョウを捕まえる場合は、横から体ごと割り込むより、真後ろか進行方向の少し先から網を合わせるほうが自然です。
横から急に近づくと、人の影や網の動きが大きく見え、モンシロチョウが反対方向へ逃げてしまうことがあります。
真後ろからなら視界に入りにくく、進行方向の先へ網を置くように振れば、チョウが自分から網の中へ入る形を作りやすくなります。
ただし、強く叩くように振ると翅を傷める原因になるため、網の面で包み込む感覚を持ち、捕まえたらすぐ次の動作に移ることが重要です。
網に入ったら口を返す
モンシロチョウが網に入った後に逃げられる原因の多くは、捕まえたつもりで網の口を開けたままにしてしまうことです。
網に入った瞬間は、手首を返して網の口をひねり、フレーム部分がふたになるようにすると、チョウが外へ出にくくなります。
この動作は虫を捕まえる前に何度か練習しておくとよく、空中で網を振った後にすぐ口を下へ向ける感覚を体に覚えさせておくと本番で慌てにくくなります。
捕まえた後に網を地面へ押しつけると翅や脚を傷めやすいため、網の奥へそっと移動させ、手で直接つかまず観察ケースへ入れる流れを作りましょう。
止まった瞬間を待つ
初心者や子どもがモンシロチョウを捕まえるなら、飛んでいる個体より、花や葉に止まった瞬間を狙うほうが成功しやすいです。
モンシロチョウは吸蜜中や産卵場所を探しているときに短く止まることがあり、その瞬間は飛んでいるときより網をかぶせやすくなります。
止まった個体には正面から近づくより、影がかかりにくい斜め後ろからゆっくり近づき、網を上からふわっとかぶせるようにします。
網をかぶせた後は、すぐに網の奥を少し持ち上げると、チョウが上へ移動して地面とのすき間から逃げるのを防ぎやすくなります。
追いかけすぎない
モンシロチョウの捕まえ方で失敗しやすい行動は、逃げた個体を長く追い続けることです。
人が走って追うと、チョウはさらに高く遠くへ移動し、捕まえる側も足元の石、溝、草の根に気づきにくくなります。
一度逃げた個体はあきらめて、花壇や畑の周辺で次に来る個体を待つほうが、体力を使わず安全に捕まえられる場合が多いです。
特に道路や用水路の近くでは、チョウだけを見て走ると危険なので、追う範囲を最初に決めておくと安心です。
風上から近づきすぎない
屋外でモンシロチョウを捕まえるときは、風の向きも意外に大切です。
風が強い日にはモンシロチョウの飛び方が乱れやすく、網も流されるため、狙った場所へ正確に振るのが難しくなります。
また、自分の影や服の動きが花にかかると、止まっていた個体がすぐに飛び立つことがあるので、風下側から静かに近づくほうが落ち着いて狙えます。
風がある日は、広い空間を飛ぶ個体ではなく、花や低い草の周辺で短く休む個体を待つと、無理なく捕まえやすくなります。
翅をつかまない
モンシロチョウを捕まえた後に最も避けたいのは、翅を指で強くつかむことです。
チョウの翅には細かな鱗粉があり、強くこすったり押さえたりすると、飛ぶ力が落ちたり見た目が傷んだりすることがあります。
観察だけが目的なら、網の中で少し落ち着かせてから、透明な観察ケースにそっと移す方法が向いています。
どうしても手で扱う必要がある場合でも、胸のあたりを短時間だけやさしく支える程度にして、長く持ち続けないことが大切です。
モンシロチョウを見つけやすい場所を選ぶ

捕まえ方の技術だけを練習しても、そもそもモンシロチョウが少ない場所を選ぶと成功しにくくなります。
モンシロチョウは幼虫がアブラナ科植物を食べるため、キャベツ、ブロッコリー、コマツナ、チンゲンサイ、ナズナなどがある場所の周辺で見つかりやすい傾向があります。
ただし、畑や学校の花壇には管理者がいるため、採集や立ち入りの可否を確認し、作物を踏まないことが前提です。
畑の近くを探す
モンシロチョウを探す場所として代表的なのは、キャベツやブロッコリーなどが植えられている畑の周辺です。
メスは幼虫の食草になるアブラナ科植物を探して飛ぶため、葉の近くを低く飛んだり、葉裏に止まって産卵しようとしたりする場面が見られることがあります。
| 場所 | 見つけやすさ | 注意点 |
|---|---|---|
| 家庭菜園 | 高い | 許可を取る |
| 学校花壇 | 中程度 | 先生に確認 |
| 農家の畑 | 高い | 無断立入禁止 |
| 道端の草地 | 中程度 | 車に注意 |
畑で探す場合は、作物の上に網を強くかぶせたり、畝の中へ入ったりせず、通路や外側から観察する姿勢を守ることが大切です。
花が多い場所で待つ
モンシロチョウは成虫になると花の蜜を吸うため、菜の花、タンポポ、シロツメクサ、ハルジオンなどが咲く場所も狙い目です。
花が多い場所では、チョウが一度通りすぎても別の花へ戻ってくることがあるため、追い回すより待つ作戦が向いています。
- 日当たりのよい花壇
- 草刈りされすぎていない公園
- 畑のふちの草花
- 河川敷の低い花
花の上に止まった個体を狙うときは、花を折らないように網を浅くかぶせ、捕まえた後も周囲の植物を傷つけないようにしましょう。
時間帯を合わせる
モンシロチョウを捕まえやすい時間帯は、晴れて気温が上がり、チョウが活発に飛び始める午前から昼過ぎにかけてです。
朝早すぎる時間や曇って肌寒い日は、飛んでいる個体が少なく、見つけても動きが鈍い一方で葉の裏や草の間に隠れていることがあります。
暑すぎる真夏の昼は人間の負担も大きくなるため、帽子や水分を用意し、短時間で観察するほうが安全です。
捕まえることだけを目的にせず、飛ぶ数が少ない日は観察や写真に切り替えると、自然への負担も自分の疲れも少なくなります。
虫あみと観察ケースを正しく準備する

モンシロチョウの捕まえ方では、道具の選び方も結果に大きく関わります。
網が硬すぎたり目が粗すぎたりすると、小さなチョウが抜けたり、翅に負担がかかったりすることがあります。
また、捕まえた後に入れるケースがないと、網の中で長くもたついて逃げられたり、チョウを傷つけたりしやすくなります。
やわらかい網を選ぶ
モンシロチョウには、目が細かく、袋の部分がやわらかい捕虫網が向いています。
硬い網や浅い網は、入った後にチョウがフレームへ当たりやすく、網の口を返したときにも翅を傷めやすいことがあります。
| 道具 | 向いている点 | 注意点 |
|---|---|---|
| 細かい網 | 小型の虫に強い | 風を受けやすい |
| 深い網 | 逃げにくい | 扱いに慣れが必要 |
| 軽い柄 | 子どもも扱いやすい | 強く振りすぎない |
網は大きければよいわけではなく、使う人が安全に振れて、狙った位置で止められる大きさを選ぶことが大切です。
ケースを先に開ける
捕まえた後に慌てないためには、観察ケースや虫かごをすぐ使える状態にしておくことが大切です。
モンシロチョウは網の中で動き回るため、ケースのふたを探しているうちに逃げたり、網の中で翅がこすれたりすることがあります。
- ふたを開けやすくする
- 直射日光を避ける
- 長時間入れない
- 水でぬらさない
観察ケースへ移した後は、必要な観察を短時間で済ませ、弱る前に捕まえた場所の近くで逃がす流れを決めておくと安心です。
服装を整える
モンシロチョウを捕まえる日は、動きやすく、草地でも安全に歩ける服装を選びます。
サンダルや素足に近い靴では、草の茎、石、虫刺され、ぬかるみでけがをしやすく、チョウを追うことに集中すると足元の危険を見落としがちです。
長ズボン、帽子、歩きやすい靴を基本にし、暑い日は水分を持って短い時間で区切ると、子どもでも落ち着いて観察できます。
服の色は絶対条件ではありませんが、黒っぽい大きな影を急に近づけるより、ゆっくり動いて存在感を小さくするほうが逃げられにくくなります。
逃げられやすい失敗を減らす

モンシロチョウを捕まえるときは、正しい動きよりも先に、やってしまいがちな失敗を知っておくと上達が早くなります。
よくある失敗は、近づき方が速すぎる、網を振る位置が現在地だけになっている、網に入った後の返しが遅い、捕まえた後の扱いに時間がかかることです。
どれも少し意識すれば改善できるため、捕まえられなかった場面を観察の練習として振り返ることが大切です。
真正面から近づかない
止まっているモンシロチョウへ真正面から近づくと、相手に動きが見えやすく、飛び立たれることが多くなります。
特に花に止まっている個体は、周囲の明るさや影の変化に敏感で、人の体が急に近づくとすぐに離れることがあります。
| 近づき方 | 成功しやすさ | 理由 |
|---|---|---|
| 斜め後ろ | 高い | 動きが目立ちにくい |
| 真正面 | 低い | 警戒されやすい |
| 走って接近 | 低い | 影と振動が大きい |
近づくときは、足音を小さくし、網を高く振り上げず、最後の一歩だけで網をかぶせるようにすると失敗を減らせます。
網だけを先に出す
体ごと近づくより、最後は腕と網だけを静かに出すほうが、モンシロチョウに気づかれにくくなります。
人の体全体が近づくと大きな影になり、チョウだけでなく周囲の草花も揺れるため、止まっていた個体が飛びやすくなります。
- 体は低く保つ
- 足は止める
- 腕だけ伸ばす
- 網は上から包む
ただし、腕を伸ばしすぎると網を返す動作が遅れるため、自分が無理なく手首を返せる距離で狙うことが大切です。
空振り後は止まる
一度空振りした後にすぐ追いかけると、モンシロチョウはさらに警戒して高く飛び、捕まえるのが難しくなります。
空振りしたときは、その場で立ち止まり、逃げた方向と高さを見て、同じ花の近くへ戻るかどうかを観察します。
モンシロチョウは花や食草が多い場所へ再び寄ることがあるため、数十秒待つだけで次の機会が来ることもあります。
失敗を重ねるほど網を強く振りがちですが、強さよりもタイミングと角度を直すほうが成功につながります。
観察した後はやさしく逃がす

モンシロチョウの捕まえ方を覚える目的は、必ずしも長く持ち帰ることではありません。
観察したい特徴を短時間で確認し、弱る前に逃がすことで、子どもも命を大切にしながら自然を学べます。
捕まえた場所の環境、翅の模様、飛び方、花との関係を見れば、ただ捕まえるだけより深い発見につながります。
観察する点を決める
捕まえてから何を見るかを決めておくと、ケースに入れる時間を短くできます。
モンシロチョウなら、翅の白さ、黒い斑点、体の細さ、触角の形、オスとメスの違い、花に止まる様子などが観察のポイントになります。
| 観察点 | 見方 | 記録例 |
|---|---|---|
| 翅の模様 | 横から見る | 黒い点の位置 |
| 体の色 | ケース越し | 灰色や白 |
| 飛び方 | 逃がす時 | 上下に揺れる |
自由研究に使う場合は、捕まえた数を増やすより、日時、天気、場所、見つけた植物を記録すると内容が深くなります。
ケースの中を暑くしない
観察ケースを直射日光の下に置くと、短時間でも中が暑くなり、モンシロチョウが弱りやすくなります。
虫かごに入れたまま歩き回る場合も、揺れや熱が負担になるため、観察は日陰で短く行うのが安心です。
- 日陰で観察する
- 車内に置かない
- 長時間持ち歩かない
- 必要以上に触らない
写真を撮るときも、ふたを何度も開け閉めせず、逃がす前に数枚だけ記録する程度にするとチョウへの負担を抑えられます。
捕まえた場所で放す
観察が終わったモンシロチョウは、できるだけ捕まえた場所の近くで放すのが基本です。
遠くへ持っていくと、食草や花が少ない場所に出てしまう可能性があり、元いた環境へ戻る負担も大きくなります。
逃がすときは、ケースを地面に叩きつけたり振ったりせず、花や草の近くでふたを開け、チョウが自分で出るのを待ちます。
すぐ飛ばない場合でも、弱っていると決めつけず、日陰で少し落ち着かせてから、風の弱い場所でそっと放しましょう。
採集場所のルールを守る

モンシロチョウは身近な昆虫ですが、どこでも自由に捕まえてよいわけではありません。
公園、学校、畑、河川敷、国立公園などは、それぞれ管理者や地域のルールがあり、昆虫採集が制限されている場所もあります。
捕まえ方のコツを知ることと同じくらい、場所を荒らさず、ほかの人の迷惑にならない行動を選ぶことが大切です。
禁止表示を確認する
採集に出かけたら、まず入口や掲示板に昆虫採集禁止、動植物の採取禁止、立入禁止などの表示がないか確認します。
国立公園や国定公園の一部では、特別保護地区などで動物の捕獲が規制される場合があり、地域の条例や施設ごとの決まりもあります。
| 場所 | 確認先 | 行動 |
|---|---|---|
| 公園 | 掲示板 | 表示を読む |
| 学校 | 先生 | 許可を取る |
| 畑 | 所有者 | 無断で入らない |
| 保護地域 | 管理機関 | 採集を控える |
迷ったときは捕まえずに観察や写真だけに切り替えると、トラブルを避けながらモンシロチョウの行動を学べます。
作物を踏まない
モンシロチョウは畑の近くで見つかりやすい一方、畑は誰かが育てている大切な作物のある場所です。
キャベツやブロッコリーの周りに飛んでいても、無断で畑に入ったり、葉をめくったり、網で作物を倒したりしてはいけません。
- 畑に入らない
- 葉をちぎらない
- 農具に触らない
- 通路から見る
観察したい場合は、家庭菜園なら家族に、学校なら先生に、農地なら所有者に確認し、許可された範囲だけで楽しみましょう。
必要以上に捕まえない
モンシロチョウを見つけると何匹も捕まえたくなりますが、観察目的なら一匹か少数で十分です。
たくさん捕まえるほどケース内でぶつかったり、弱った個体を見落としたりしやすくなり、自然への負担も大きくなります。
同じ場所で何度も採集するより、今日は飛び方を見る日、次は花に来る時間を調べる日というように、観察テーマを変えると学びが広がります。
捕まえる楽しさだけで終わらせず、逃がした後にどの花へ向かうかまで見ると、モンシロチョウが自然の中でどう暮らしているかが分かりやすくなります。
自然を傷つけずに楽しむ採集の要点
モンシロチョウの捕まえ方のコツは、よくいる場所を選び、飛ぶ向きを観察し、止まった瞬間や進行方向を狙い、網に入ったらすぐ口を返すことです。
成功率を上げたいなら、キャベツやコマツナなどのアブラナ科植物の近く、花が多い日当たりのよい場所、風が弱くチョウが低く飛ぶ時間帯を選ぶとよいでしょう。
捕まえた後は、翅を強くつかまず、観察ケースを暑くせず、短時間で模様や動きを見て、捕まえた場所の近くでやさしく逃がすことが大切です。
公園や畑では禁止表示や管理者の許可を確認し、作物や草花を傷つけず、必要以上に捕まえない姿勢を守ることで、モンシロチョウの観察は安全で楽しい学びになります。


